../MG4%20top

1999年 9月12日 全日本ジムカーナ選手権 in 浅間台スポーツランド

観戦記

国内ジムカーナの最高峰のシリーズ、それが全日本ジムカーナ選手権。全日本というだけあり、南は九州、北は北海道までを巡る、全国津々浦々、行脚の旅、それが全日本。全国のジムカーナ参加者のあこがれの的、それが全日本。

今回開催される場所は、いつもフリー走行や JMRC関東シリーズでいっている浅間台スポーツランド。これは観にいくしかない。全日本ドライバーのすばらしい走りや、車の動きを観るのが目的だ。さて、最近のジムカーナの傾向としてパイロンターンが少なくなってきて、カートコースなどで行われる場合はサイドを一度もひかないコースも多くなってきている。これは2年前くらいからA車両の規定がかわり、車高が落とせるようになり、また吸排気系のチューニングも許されてきたため、どちらかというとレースに近いセッティングになり、サイドターンよりもハイスピードコーナリングを極めるという傾向が出てきたためだ。

そんな中にあり、今回のコースはビックリ仰天。まるで在りし日の神奈川戦、相模湖ピクニックランドのようなサイドターン、低速ターン中心のコテコテコース。スタートから S字、左に180度ターン、左に270度ターン、右に270度ターンと連続のサイドサイド、サイド。その後も島周り、排水溝周りをまわしこむ低速ターンが続き、中間計測地点となる。そしてようやく高速セクションがはじまり、シェルコーナー、バスストップを抜けて外周、そして手前に戻ってきて最後はまた右270度サイドターンで締めくくる。最低4回はサイドをひく。

これで割を食ったのがサイドターンのセッティングを重視してない車だ。最初のサイドセクションでクルクルときれいに回れない限り、上位入賞は見込めない。それでいて高速セクションの速さも要求されるという、厳しいコースだ。結果的には全日本に相応しい、バランスのとれたジムカーナらしいコースともいえる。

A1クラス

出走18台で争われるA1クラス。車両はすべて GA2シティ。ゼッケン10番の矢島選手は C地区戦シリーズ2位、全日本でも3位に入賞したこともある実力の持ち主だ。その矢島選手がサイドターンをきれいにまとめ、高速セクションもミスなく走りベストタイムを叩き出す。そしてそのまま1本目のベストタイムとなった。

2本目、矢島選手は自己のタイムを縮められない。しかし他の選手も同様だ。そして1本目のタイムで矢島選手が全日本初優勝となった。おめでとうございます。

A2クラス

出走32台で争われるA2クラス。車両は CR-X(EF8), CIVIC(EG6, EK4, EK9), MIRAGE(CJ4A)と、多種多様だ。その中で主流となったのは EK9シビックタイプRである。しかし、これらの車種の中で一番サイドターンがしずらいのも、EK9シビックタイプRである。長いホイールベース、重く、大きなボディ。サイドセクションで一番有利なのは軽量、コンパクトな EF8 CR-XであるがEF8の出走台数は少なく、たった2台だった。

タイムのほうはやはりサイドセクションの、中間タイムがそのまま結果に結びつく。サイドターンはパイロンコースが多い関東勢が有利かと思われたが、すでにJAF戦(地区戦)も高速ターンが主流になったためか、関東勢も苦戦している。そんな中、斎藤選手がサイドターンを綺麗にまとめて1本目ベストタイムを叩き出した。

2本目、各選手がタイムアップを果たしてきた。京都の多田選手(EK4)を皮切りに、ラスト7台は壮絶なタイムアップ合戦。1本目ベストの斎藤選手は逆にタイムダウン、そして田原選手がサイドターンを完璧に決めてベストタイムを更新する。そしてそのタイムを津川選手、田口選手も更新できず、田原選手が優勝した。

A3クラス

注目のA3クラスは出走36台。車両は MR2(SW20), INTEGRA(DC2), NSX(NA1), RX-7(FD)と2輪駆動の形式、FF, FR, MRすべてがそろった、バラエティ富んだクラスだ。車の、駆動方式の違いから各車セッティングからラインどり、ドライブの方法などが違うため見ごたえがある。さらにジムカーナ界のカリスマレーシングドライバー山野哲也が超ど派手な1000万円オーバー NSXを駆ることからも注目されているクラスだ。このクラスはインテグラが一番出走台数が多い。サイドターンセクションで軽量のインテグラが有利、高速セクションでパワーのあるRX-7、NSXが有利と予想され、結果がまったく見えない。

以前 CR-Xに乗っていた新井選手、以前 CITYに乗っていた鈴木選手が好タイムをマークする。この2車種はサイドがやりやすい部類の車のため、ドライバーもサイドがしやすいセッティングにしているのだろうか。しかしそのタイムもサイドをきっちりとまとめ、高速ターンを我慢のドライビングでミスなく走行した山野選手が更新する。ラストゼッケンの日部選手はボンネットが閉まってなかったため赤旗となった。

2本目、インテグラ勢がタイムをつめてくる。山野選手もいつもの1本目のタイムでぶっちぎり楽勝というわけにはいかず、肉薄され、2本目のタイムにかかる。2本目、タイムをつめてきた。しかし今回のドラマはこれで終わりではない。ラストゼッケンの日部選手がスーパーラップを叩き出し、逆転優勝を飾った。

それにしても山野選手のNSXは2本の走行とも縁石にのりあげ、そのたびにインナーフェンダーを脱落していた。これって赤旗にならないのかねえ?

そのほかのクラス

気温がとても暑かったので、観てません。A4クラスは岡野選手が久々に優勝した。Dクラスは山本選手が優勝できなかったことはわかっている。

感想

全日本ともなると、車の動きが非常にシャープで無駄がない。これはもちろんドライバーの圧倒的な腕もさることながら、車のセッティングも非常によいためだ。特にエキシビジョン走行時に A3 山野選手やA2 田原選手は360度ターンを3度連続して行うのはたやすい。サイドターン、低速ターンから高速ターンにいたるまで、すべてのコーナーを綺麗にクリアできる。もちろんドリフト走行に持ち込む事も容易だ。そのフレキシブルなセッティングの中から「タイムを出す」走らせ方ができる、それがトップドライバーたる由縁だろう。

びっくり仰天、おおうけエキシビジョン走行

今回、粋なはからいで2本目の走行が終了してからエキシビジョン走行が20分ほどあった。これには各クラスの優勝者の車を中心に、全日本ダートトライアル A2チャンピオンの石井選手(EK9)や、全日本ラリーのランサーも用意されていた。これらの車には抽選で同乗走行となる。

A1クラス優勝の矢島選手がシティでドリフトをしはじめると、A2クラス優勝の田原選手はさらにおおきなドリフトアングルと、360度ターン3連続でみせる。その後に走り始めた 石井選手のシビックはさらに真横になるドリフト、派手なアクションを見せつける。ランサーに至っては、気分はWRC、4輪から白煙をあげながら4輪ドリフト。しかも2,3分ずーーーーっと走りつづける。目立つのが大好きなA3クラス 2位の山野選手は箱乗りはもちろん、新しい曲芸、「ドアオープン360度ターン(ターンしながら運転席ドアをあける)」という荒技を披露したり 、どれだけ壁に近づけるか360度ターンなど、1000万円の車でやるには余りにも危険な技を次々と繰り出していた。ちなみにまじめなオフィシャルは赤旗をあげていた(^^;

派手さでいうと、ダート系の車がやはりタイヤスモークはあがるし、ドリフトアングルはつくし、ギャラリーを非常に魅了していた。ジムカーナはかなり地味な競技といえるが、このようなエキシビジョン走行のドリフト走行は見ていて楽しいものだ。是非他の大会でもやってもらいたい。